超絶ざっくり古事記⑤ 大国主の国ゆずり

古事記

大国主の国ゆづり

大国主の国つくりは終了し、繁栄した葦原中国ですが、繁栄すれば、

堕落し強欲になる者も出てきます。

その様子を高天原(たかまがはら)から見ていた天つ神(あまつかみ)は、

この様子を問題視し、葦原中国は天孫(てんそん)が治めるべき国であると、言いました。

そこで、八百万に神たちは知恵のオモイカネの神に思案させ、

そこで、はじめに派遣された神が、アメノホヒノカミです。

しかし、この神はすぐに大国主に取り込まれてしまい、三年経ちました。

派遣した神から何の連絡もないので、次を派遣することにしました、

次に派遣されたのがアメノワカヒコです。

しかし、このアメノワカヒコは大国主の娘のシタテルヒメと結婚してしましました。

しかも、この葦原中国を自分のものにしようと企むようになりました。

そして八年の歳月が流れ、こまった天津神は、矢を投げて、占いをすることにしました、

『ワカヒコが裏切っていなければこの矢は当たらない、

裏切っていればこの矢で死ぬでしょう』と願掛けをし、矢を投げ落としました。

矢はワカヒコを貫き死んでしまいました。

タケミカヅキの派遣

次に派遣されたのが、イザナミ火のカグツチを切った時に生まれた神です

タケミカヅチ天鳥船の神(あめのとりふね)と出雲に降り立ちました。

そして、持っていた剣を逆さに突き刺し、その上にあぐらを書いて座り、大国主にたずねます

『汝がうしはける(領有する)この国は我が御子の知らす(治める)国である』

すると大国主は「私はもう息子たちに、国をゆずっているので、息子たちに聞いてほしい」

一人の事代主の神(ことしろぬし)はすぐに受け入れました。

しかし、もう一人のタケミナカタの神は「人の国に来て勝手なこというやつは、許さん」と

タケミカヅチに戦いを挑みました、しかし、雷の神であるタケミカヅチにはかないません。

すぐに降参し、納得しました。

そして大国主は、私も背く(そむく)つもりは、ありません、

ただ、この出雲の信仰を認めて、高天原に届くような、

大きな神殿を作ることを、お許しくださいと言いました。

これが出雲大社(いずものおおやしろ)です。

今でも出雲大社があるということは、この条件は叶えられたということです。

そして皆で宴会をしました。

これが出雲の国ゆづり神話です。

うしはくと知らすの違い

知らす(しらす)とは、天皇が国や人の事を深くしり、国民を宝物することで、

自然に祈りを通して、自然と国民が統合されていく形、

政治権力はなく、権威で統治する形、

例えていうなら、離れて暮らす、子供の病気を知った親は、早く治りますようにと、

自然と祈りますよね?それが神社でなくとも、

もしかしたら、神社までいく、親御さんもいるとは思いますが、

このように、知るということは、知った時、初めて祈れるのです、

なので天皇陛下は国民のことに一番関心があり、深く知りたいといつも思い、

今も変わらず、祈ってくださっています、天皇とは、日本人全員の親のような存在なのです。

これは、我が国、独特の考えであり、この統治の方法をとったことで、

国が一度も滅ぶことなく、続いて来たのです

 

一方、うしはくとは、権力そのもので、例えば、王様や皇帝など

国や民は皇帝の所有物であり国とは皇帝そのものです。

今でいえば総理大臣などが、これにあたりますが、総理も天皇から任命されなるものです。

だから、日本において、うしはく・ことができないのは、権力の上に権威があるからで、

日本において独裁は許されないのです、

しかも権威=天皇なので、その宝である国民を所有するなど、できないのです。

国ゆづり神話が史実であった可能性

現在の島根県に出雲大社が現存しており、今でも24mという破格に高さですが、当初は

48mあったとも言われます。

しかも平成24年には、境内からは、直径1・4mの巨木が3本束ねられた状態で発掘されました

この発見により信憑性がグッと上がりました。

考古学の発見といえば、昭和59年に出雲、荒神谷遺跡(こうじんだに)から

358本の銅剣が発掘されました、全国で発見された銅剣が300本程度なので、

一ヶ所でこれだけの銅剣が発掘されたということは、

2世紀ごろ、出雲では、一定の軍事力を持った国が、存在したことは間違いないでしょう。

のちに古墳時代あたりで、ゆるやかに大和朝廷と融合していったと思われます。

驚愕するのは、世界では、宗教戦争が戦争の歴史といっても過言ではないように、

宗教を認めて緩やかに融合するという、世界の奇跡が行われたということです。

当時の日本にはさまざま土着の信仰があり、熱田・伊勢・出雲・三輪山

それぞれ別々の信仰ですが、今もなおそのまま残っています。

どれだけ進んだ精神を持った民族なのでしょう。

今日はここまで、次はいよいよ、天孫である、ニニギの天孫降臨のお話です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

感謝

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