超絶ざっくり 古事記(ふることふみ)①

古事記

はじめに 古事記には読み方がある

古事記は、奈良時代に編纂された書物で、日本とは何か、

日本人とは何かを考える上では、古事記を読むことが近道だと思います。

この物語は、我が国の神話であり、日本人とはのヒントがたくさんあります。

上巻・中巻・下巻となっており、神代・神代〜地上世界・歴代天皇の内容になっています。

しかし、古事記といえばとっつきにくく、読みにくいと思われています。

私は、竹田恒泰著の現代語古事記を、読みましたが、ふりがなもあり、注釈も充実し

何より古事記の読み方まで説明してくれています。

それは神様の名前が出てきたら速攻で忘れる事、らしいです。

重要な神様は何度も出てくるので、自然と覚えます。

なので楽しみながら、この物語は何を伝えようとしたものか、とかを考えれば、

おのずとすらすら読めてしまいます。

これは私の解釈ですが、古事記を単なる神話と捉えず、人間として、

古代の日本人が、出来る過程を、この物語から想像することもできました。

古事記は、人それぞれ捉え方違うものだと思います。

ぜひ、日本人である、あなたに読んでいただきたいです。

私の古事記は、極端に登場人物を減らしています。

古事記入門の入り口として、楽しんでいただけたらとおもます。

天地初発 (てんちしょはつ)

古事記の世界観

天空の世界を高天原(たかまがはら)といいます。

ここの神様を天津神(あまつかみ)といいます。

地上の世界を葦原の中国(あしはらのなかつくに)

ちなみに中国地方の中国はここから来ています。

または、瑞穂の国(みずほ)と言います。

ここに暮らす神様を国津神(くにつかみ)と言います。

地下の世界(死後とは限りません)異世界 黄泉の国(よみのくに)と言います。

その他、根の堅洲国(ねのかたすくに)や常世の国(とこよ)の国、海の宮殿なども

出てきます。

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はじめにアメノミナカヌシノカミ・タカミススヒノカミ・カミムスヒノカミ

三柱(みはしら)が生まれました、この神様を最初の神様で造化三神といいます。

または別天神(ことあまつかみ)と言います。

神様は柱(はしら)と数えます、

最近では、鬼滅の刃の最強の戦士の数え方に柱が使われていますね。

この三柱は性別がなく、男女どちらの性質を持ちます、

そして生まれてすぐにどこかに行ってしまいました

どこかに行ってしまいますが、世界そのものと考えれば良いと思います

この時、大地はまだ若く、水に浮かぶ油のようでした。

そして次々に神様が生まれてきます。

最後に生まれたのが、イザナギとイザナミが生まれました、この神様は男女の神です。

まもなく日本列島を生む重要な神様です。

ここまでで生まれた神様を神世七代(かみよななよ)と申します。

国生みと神生み

国生み

そこで高天原の神様の総意によってイザナギとイザナミ

下界の海を指して「この漂っている国を作り固めなさい」と命ぜられました。

イザナミとイザナギは天にかかる橋に立って、海水を「こおろ・こおろ」と矛(槍のこと)

でかき回しました、矛を引き上げて、その先から滴り落ちた、海水の塩が、固まって島が

出来ました、これがオノゴロ島といいます。

現在のどこかはわかりません。多分航海をしてきて最初の拠点にしたのでしょう。

この島を拠点に二柱は、日本を生むことになります。

その後、二柱は島に降り立ち、高天原と連絡をとるための天ノ御柱(あめのみはしら)

アンテナを立てました、続いて家を建てました。

一息ついた所で、イザナギが自分の下半身に、何かぶら下がっているのに気づきました。

そこでイザナギがイザナミに

イザナギ・「なんか、ぶら下がってるんだけど、そっちの体はどう?」

イザナミ・「私の体も成長はしてるけど、何か足りずにくぼんでいる所があるよ?」

イザナギ・「では、そのくぼんでいるところを、私の余っているもので塞いで国を生もうと

      思けど、どうかな?」

イザナミ・「もちろんいいよ」と賛同なさいました。

そして天ノ御柱を回って結婚式を行いました。

御柱を回って出会った所でイザナミから

イザナミ・「あなにやしええおとこを」(なんて素敵な男性なのでしょう)

イザナギ・「あなにやしええおとめよ」(なんて素敵な女性なのか)

と声をかけ合いました、言葉には言霊(コトダマ)と言う力がありあます、

子を生む前に良い言葉を掛け合うことで、良い子が生まれますようにと願いをかけたのです。

しかしイザナギが「女の方から声をかけたのは良くなかった」といいましたが

二柱はこれで結ばれました。

でも、生まれてきたのは手足のない、ヒルコが生まれてしまいました。

二柱は大いに嘆き悲しみ、生まれた島を船にのせ海に流しました。

次に生まれ子も淡島で泡のように不安定な島が生まれてしまい。

二柱は悩み相談をしまいた、一度高天原の実家に帰って、相談して見ることにしました。

実家に帰った二柱は、どうやればうまくいくのかを聞きました。

太占(ふとまに)という占いをしてやはり女の方から声をかけたのが原因と判明

やはり古来から結婚は男が申し込み、女がそれを承諾して初めて成立するもの

二柱はオノゴロ島に戻り、結婚式をやり直しました。

すると、次々に立派な島(子)が生まれてきまいた。

まず最初に生まれたのが淡路島(あわじしま)

次に四国  次に隠岐諸島(おき) 次に九州 

次に壱岐の島 次に対馬 次にサドガシマ 次に本州の畿内あたりが生まれました。

八つの島が最初に生まれたことにより、我が国の事を大八島国(おおやしまのくに)

というのです。

次に吉備児島(きびのこじま)や小豆島(しょうどしま)を生みました。

次々に島を生んで、これで『国生み』が終わり、日本の国土が完成したのです。

神生み

次に、二柱は大八島に住む、たくさんの神を、生むことにしました。

最初に生まれたのが、住居に関する七柱が生まれました。

次に大地や山・川など自然に関する神や食べ物その他の神、そして途中に火の神

ヒノカグツチの神あわせて十七柱が生まれました。

そして、この十六柱の間に、また十六柱の神が生まれました。

よってこの十六柱はイザナギ・イザナミの孫にあたります。

この中にオオヤマツミの神(山の神)います、のちの天孫降臨でニニギの義理の父になります

ここで言ってしまえば、ニニギもイザナギの子孫になるので元々親戚になるのですが。

この神生みは当時の暮らしや、野山の散策した風景を象徴しています。

ここで悲しい出来事が起こります。

火の神を生んだことにより、イザナミが火傷をおってしまいました。

しかし、病床で苦しみながらも、イザナミはまだ神を生みました。

ここで生まれた六柱の神の中に穀物の神トヨウケビメの神を生んだ

ワクムスヒの神がいます。

 

トヨウケビメはのちのアマテラスの食事を司る重要な神様です。

そしてイザナギの看病もむなしく、イザナギは他界してしまします。

神様は基本、不老不死ですが、時に亡くなります。

イザナギは大いに悲しみ

「愛おしい我妻の命を一人の子供の命とかえる事になるとは」と泣きました。

するとその涙からも泉の神が生まれました。

イザナギはイザナミの亡骸を出雲国の比婆山の葬りました。

イザナギの悲しみは募るばかりで、

ついに十拳の剣(トツカノツルギ)(拳十個分の剣のこと)を抜いて

我が子の火の神を切りました。

切った傷口から出た血から、またたくさんの神が生まれます。

その中に雷の神タケミカヅチの神がいます

 

これでイザナギとイザナミの国ずくりが中断してしまいました。

黄泉の国

イザナギの悲しみは晴れる事なく。

ついにはイザナミを追って、黄泉の国異世界・異国)に出かけました。

イザナギが黄泉の国につきイザナミに再会します。

イザナギ「美しき我が妻よ、私とあなたと作る国はまだ出来上がっていない、一緒に帰ろう」

イザナミ・「もう少し早く来てくれればよかったのに、もうこの国の食べ物を口にしてしまったのでこの世界の住人になってしまった、もう戻ることは出来ない、でもせっかく来てくれたのだから戻りたい、この世界の神々に相談してくるので、決してその間私のことを見ないでください」

イザナギは待ちましたが、待てど暮らせどイザナミは帰って来ません。

待ちきれなくなったイザナギは、約束を破って中を見てしまいます。

すると中には変わり果てたイザナミがいました。

イザナギはびっくりして逃げました。

イザナミは「私に恥を欠かせたな!」と怒り

(ヨモツシコメ)鬼婆にイザナギをおわせました、

イザナギは逃げましたが、鬼婆に追いつかれます、

そこでイザナギは髪に巻いてあったツルを投げます

そしたらみるみるブドウがなったのです。

鬼婆は、そのブドウにむしゃぶりつきました。

その間にイザナギは逃げます、ブドウを食べ尽くした鬼婆はまた追いかけます、

今度はクシを投げると、タケノコが生えました。

鬼婆はタケノコにも飛び付きます(どんだけ腹が減っているのでしょう)

鬼婆に続き黄泉の国の軍勢も追って来ました、イザナギは剣を抜き

後ろ手に剣を振りまわし逃げました。

ようやく黄泉の国と現実世界の境である、

黄泉比良坂(よもつひらさか)に差し掛かります。

そこに一本の桃の木を見つけ、身を三個とり投げると

黄泉の国の軍勢は総崩れになりました。

ところが、最後に追ってきたのは、イザナミ本人でした。

イザナギは黄泉比良坂を岩で塞ぎました。

イザナギとイザナミは岩をはさんで向き合いました。

夫婦別離の瞬間です。

イザナミ・「愛おしい夫がそのようにするのなら、

      あなたの国の人々を一日に千人殺しましょう」

イザナギ・「愛しき妻がそのようにするのなら、

      私は一日に千五百の産屋(うぶや)を建てよう」といいました。

 

このように、二柱は永遠に、決別することになりました。

かくして、このように現世では人は一日に千人死に、千五百が生まれることになったのです。

イザナミは黄泉の大神になり、イザナギは現世(うつしよ)の大神になりました。

私はイザナミは本意で殺すことは考えていなかったと思います。

なぜなら女のイザナミから声かけています、国生みの時に女から声をかけてはいけない

ことをイザナミは知っているからです。

それにイザナミもイザナギも最後まで愛しきと言っていますので、最後まで愛し合って

いたけど何かの事情がしょうじ、致し方なくこのような結末になったのではないでしょうか。

きっと岩のむこうで、こんな顔をなさっていたのではないでしょうか。

アマテラスの誕生

イザナギが黄泉の国から帰ってきて、

私はケガレた国から戻ったから、禊(みそぎ)で体を清めなくてはと

筑紫の日向の(宮崎県)川で禊祓い(みそぎはらい)しました。

この時にも多くの神が生まれました。

身につけているものから陸路の神・六柱 海路の神・六柱が生まれました。

黄泉の国からの旅路を表していると思われます。

他にも神が生まれ

左の目を洗った時に生まれたのが、天照大神(アマテラスオオミカミ)

●最高神 太陽の神 古事記の中で、最も重要な神

右の目を洗った時に生まれたのが、月読命(ツクヨミノミコト)

●月の神 夜の神 その後の物語には、出てきませんが、

月は、満ち欠けすることから、時間を表していると思われます、

なので、常に、そこにいると考えれば良いと思います。

鼻を洗った時に、生まれたのが、建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)

●荒ぶる神 海の神 その後の物語に重要な神

この時、イザナギは大変喜び

イザナギ・「多くの神を生んできたが、その果てに三柱の貴い(とうと)子

三貴子』(さんはしらのうずみこ)を得た」

そこでイザナギは、自らがつけていた首かざりをアマテラスに授け、

高天原を知らせ」と命ぜられました。

●知らせとは、その世界をよく知って治める事です。古事記には所々で使用されます。

 

ツクヨミには夜の世界を知らせ、スサノオには海を知らすよう命ぜられました。

三貴子(さんはしらのうずみこ)の誕生です。

 

 

しかしその後、海を統治するように言われたスサノオは、いっこうに治めようとはせず。

泣わめいてばかりいました。

その様子から、荒ぶる神なので、嵐がおき、あらゆる災いがおこりました。

イザナギが心配して「なぜ国をおさめず泣いてばかりいるんだ?」と聞くと

スサノオは・「私は亡き母に会いたい、母がいる根ノ堅洲国(ねのかたすくに)行きたい」

亡き母、イザナミのことを思っていたようです。

 

ここでおかしなことに気づきます、

スサノオはイザナギの鼻から生まれたので母はいないはずなのです、

しかもイザナミがいるのは黄泉の国であって、根の堅洲国ではありません。

これは神の物語ですから通常の出生ではありません、この世界では物からも神が生まれます。

したがって、イザナミの霊力の何かがスサノオに受け継がれたことを

意味しているのではないでしょうか。

根の堅洲国は黄泉の国とは違います、しかしのちの物語で出てくる、

黄泉比良坂(よもつひらさか)が、根の堅洲国にもあります、

なので異世界は、黄泉比良坂がメイン道路の、そこから別れた

別の世界と考えれば解決です。

黄泉の国も、根の堅洲国も異世界という、大きな一つの世界なのです。

 

そこでイザナギは怒り、スサノオを海の世界から追放してしまいます。

ここでイザナギの物語は終了し、イザナギは滋賀県多賀町の多賀神社に、

鎮座(ちんざ)しています。

この後は、追放された、スサノオとアマテラスを中心にした、物語になります。

追放されたスサノオはどうなってしまうのでしょう。

今日はここまでにしておきます。

読んでくれてありがとうございました。

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